「エンタメ」における「出会う」とはどういうことなのか。

　思い出話を交えながら、僕の思う「エンタメ」について少し話をします。

　僕がまだ若い頃はまだBlu-rayやDVDではなくVHSの時代でした。

　レンタルビデオショップに行くとVHSが並んでいて、少し色褪せた背表紙を手に取って、まだ見たことのない古い作品と偶然に出会うことは、「ワクワク」する体験でした。

　それは今の時代のレンタルショップや、本屋、ゲームショップ、おもちゃ屋、あるいは車のディーラーとか、宝石店とか、アパレルショップとか、靴屋とか。さらに言えばお店に限らずや図書館とか博物館とか美術館とか。何かに出会える場所は今もたくさんあります。

　ありとあらゆるお店・施設において新たな何かと「出会う」ことは、「ワクワク」することであり、僕個人としてはこの「出会いのワクワク」こそが、「エンタメ」の髄なんじゃないかと思っています。

　勿論、髄だけじゃエンタメは成り立ちません。骨を組み、肉を纏い、血を巡らせて、初めて誰かの心を動かす力を発揮できるエンタメになるのだと思っています。

　髄が、骨が、肉が、血が何であるかは、人により、ジャンルにより、違いはあるのかもしれません。が、それぞれを構成する要素はおおむね同じであり、「出会い」の重要性、すなわちその出会いを構成する「アドバタイズメント」と「アーカイブ」の重要性もまた、同じであると思っています。

　レンタルビデオショップはVHSからDVDに、そしてDVDからBlu-rayに、時代とともに移り変わっていき、古い作品を見る機会というのは減ってしまいました。ビジネスである以上、それは当然のことではありますし、姿を消した作品自体はサブスクサービスで見れるものもあります。しかし、サブスクサービスですと、能動的に探しに行かないとなかなか作品との偶然の出会いは生まれづらいような印象もあり、そもそも作品自体を知るチャンスを得られないことは、やはりもったいないなと感じてしまいます。

　ATRI.PAGEは、「獣化」という一つのニッチなジャンルに絞りながら、「アドバタイズメント」と「アーカイブ」に努め、皆さんと「獣化」の出会いの場となっていけるよう、これから精いっぱい頑張ってまいりたいと思っております。

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