かつて、Twitterにとあるbotが存在していた……

皆さんは「獣化する女の子かわいいbot」というTwitter(現X)アカウントをご存じだろうか。

どのようなアカウントかというと、

「ただひたすら獣化する女の子のシチュエーションを呟いてかわいいと言っているだけのアカウント」

なのである。

そしてこのアカウント、

何を隠そう

筆者、宮尾が作ったbotなのである。

私が作りました

獣化する女の子かわいいbotは2014年に稼働を開始して、長らく自動で様々な獣化シチュエーションを呟いていたが

Twitterの仕様変更により自動投稿の継続が難しくなったため、2023年4月3日の投稿をもって運営を停止したのである。

しかし、折角様々なネタをたくさん投稿したので、今一度振り返って、10年前の自分はどんなネタを思いついていたのか、確認してみようと思う。

もしかしたら今後小説書くときの参考になるかもしれないし。

じゃあ早速見てみよう。

赤ずきんちゃん

おばあさんのおうちにお使いに出かけている途中であったオオカミにそそのかされて寄り道を食っていたらその森は長時間いるとオオカミになってしまう呪いの森で気づいた時には自分がオオカミになってしまいおばあさんに助けを求めようとするんだけど気づいてもらえず猟師に追い払われる赤ずきんかわいい

童話「赤ずきん」自体には変身要素は一切ないんだけど、二次創作だったり、あるいは童話をモチーフにした物語やゲームでは、赤ずきんはオオカミに変身させられがち。

シチュエーションとしても、変身してしまう森とか、気づいてもらえない状況というのはTFネタの定番。そういったところを盛り込んだオーソドックスなネタだ。

このbotはこんな感じで、140字ギリギリのツイートが大半を占めている。

他のツイートも見ていこう。

エイプリルフール

エイプリルフールだから獣化なうとか呟いて嘘をついたつもりが嘘から出たまことで本当に動物の姿に変身してしまい何とか助けを求めようとするんだけど動物の前足ではまともにツイート出来ないしスマホを何とか駆使してツイートしてもエイプリルフールで全然信じてもらえず泣きだしちゃう女の子かわいい

エイプリルフールも定番ネタの一つだ。

「なう」が登場している辺り、まだ当時の雰囲気が垣間見える。……いや、2014年でも「なう」はちょっと古い気がするが。

「信じてもらえない」シチュエーションが続いたので、ちょっとそれ以外のシチュエーションも見ていこう。

主張

ハイエナになる女の子は文句なしでかわいい

主張が強い

140字のルールがどっかにすっ飛んで、中の人の主張をただそのまま描いてるだけになってしまった。

こういうのもある。

三部作

ある日町が突然謎の怪獣に襲われて家族とともに逃げていたんだけど混乱の中家族とはぐれて謎の地下道に迷い込んでしまいそこで古代の遺産である正義の怪獣の力に触れてしまい怪獣の姿に変身する力を手に入れたことで怪獣の姿にコンプレックスを感じながらも悪の怪獣と戦うことを決意した女の子かわいい

怪獣の姿に変身する力を手にした事で人知れず町を襲ってくる悪の怪獣と戦っていたんだけどある日自分の通う学校が悪の怪獣に襲われて友人や片思いの少年に正体がばれるのが嫌で葛藤するけど最終的にみんなの目の前で怪獣に変身して学校を守った後二度と戻らない覚悟で哀しげに去っていく女の子かわいい

怪獣の姿に変身する力を手にしたことで人知れず町を襲ってくる悪の怪獣と戦っていたんだけどある日ダメージを負いすぎて人間の姿に戻れなくなってしまいやむを得ず町から離れた山の中で小さくうずくまりながらもう戻れないのかもとか家族は心配していないかとか思いながら涙を流している女の子かわいい

落ち着け

140字ルールを逆に破るために3つに分割して投稿すな

しかもbotはランダムに呟かれるので、この順で出てくるわけでもないので、つぶやきを見てくれる人が関連性に気づくかどうかは微妙なところだ

妹？

聖獣型ロボ化する女の子かわいいbot

そんなbotはねぇよ

本音

獣化する女の子かわいい

獣化する男の子もかわいい

獣化する大人のお姉さんもかわいい

獣化するおっさんもかわいい

本当に落ち着けよ

獣化してたら何でもありなのカミングアウトするなよ、このbotで。

異変

獣化しない女の子かわいい

どうした

治療

やっぱり獣化する女の子かわいい

よかった

では最後にこちらをどうぞ

商品化しました

双子の女の子が揃って獣化病にかかってしまい、それまでずっと同じ姿で、勉強もスポーツも同じくらいで、ずっと「特別な存在」「もう一人の自分」のように感じていたのに、なった動物は別々で初めて「自分たちは別の存在だった」というあまりに当たり前な事実を突きつけられて動揺する女の子のかわいい

これ、こっそり小説化した上で販売してます。

この恋を恋と呼ぶには

双子の少女、みちるとのぞみ。

容姿、性格、運動神経、あらゆるものが鏡のようにそっくりな二人は、互いのことを特別な存在として、深く愛し合っていた。

しかし、成長と共に少しずつずれ始まる二人の関係。

そして、この世界に存在する「獣化病」が、二人の関係を、そして姿を、決定的に変えてしまう。

その時少女たちはどう思い、どう考え、どう生き、どう成長するのか。

獣化をきっかけに変わっていく双子の数年間を描いた変身短編。

 

本書は2022年の同人誌『食育』に寄稿した作品に、新たにのぞみ視点の書き下ろしを加えた特別版となっております。

ATRI.STORE

この小説は同人誌『食育』に寄稿した作品だが、実は原案は獣化する女の子かわいいbotのこのつぶやきだったということだ。

特にどちらにもクレジットを入れてないので、このツイートと小説を見て「パクリじゃね？」と思った方は安心してほしい

両方とも同じ人間が作ってるものだ

私が作りました

というわけで、ほんの一部ではあるが獣化する女の子かわいいbotのつぶやきを振り返ってみた。

改めてみて思ったのが

ちゃんと"狂気"やってるな

ということ。

こういうのは、冷静にならずに勢いで作ってしまうのが一番だなと9年ぶりに思った。

よし、これからも、冷静にならずに進んでいこう

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